Chapter.3 カタチ、そしてココチへ。

私もそうですし、そして社員とも一緒にめざしていこうとしているのは、使う人にとって気持ちのいい空間を創りたいということ。たとえば住居空間を例にとると、社会全体が前進している時代は、巨大なマンションのように、同じような間取りの住まいがどんどん生まれました。その時代はそれでよかったと思うのですが、現代のような個の時代、ライフスタイルも収入も違う家族が同じような間取りの住まいで暮らして、果たして満足できるのだろうかと思うわけです。

家族には家族のスタイルがあります。ファミリー第一の人、仲間を呼んでのホームパーティーを楽しむ人、いろいろです。空間をとっても、リビングルームを充実させたい人もいらっしゃれば、ベッドルームにこだわりたい人もいらっしゃいます。私たちの建築には、そんなその人らしさとか、個性を取り入れることはできないかと考えて設計に取り組んでいます。もちろん住居以外の空間でも使う人の心地を最優先にしてデザインしています。

本物は常にしなやかです。カタチに人の暮らしをはめ込むような建築は、弊社のめざすものではありません。住む人、使う人が心地よさを感じてもらえる建築こそ、弊社がめざす空間です。心地よさは一人ひとり違います。全員を満足させる建築というものはこの世に存在しないのかもしれません。しかしそこへどれだけアプローチしていけるか。カタチ、そしてココチ(心地)へ。それが私たちのめざす建築です。

使う人の心地をデザインすることが 私たちの使命です。

Chapter.3